「真夜中にお客様から電話が入るんですよ」
ホームページ制作をしている「A社」担当者は、憔悴した表情で言いました。
そのお客様は、書道を趣味としていて、
作品をウェブ上で発表したいということで相談をしてきたのだそうです。

趣味の書道とはいえ、腕前はかなりのもの。
もし、作品展などに出品したら、かなり良い値のつきそうな作品ばかりだったようですが、
それだけにその自負も大したもの。
作品の撮影には、ずいぶん細かい注文があったのだそうです。
「光の具合がよくない」
「色合いが暗すぎる」
「角度が悪い」
などなど、何度も撮り直しした末、やっとOKが出ても、
サイトに載せてから確認をとると、「やっぱり良くない」とのことで、
また撮影のために訪問せねばならないということを繰り返したそうです。

中でも一番つらかったのが、電話。
高齢のため、就寝時間は遅く、起床時間が早いのでしょう。
他人まで同じサイクルで行動していると思っておられるようだとのことでした。
つまり、真夜中に電話が入るんですね(>_<)

「今、もう一度見てみたんだけどねぇ、一番上の作品、もう少し上から撮影した方が映えると思わないか?」
「思いません」
そう答えたいところをぐっとこらえて、
「私には十分美しく見えると思いますが」
と答えるのが精いっぱいだったそうです。

結局、ホームページ制作に要した時間は、なんと半年。
それでもサイトの作り自体はシンプルだったため、高い料金をいただくわけにもいかなかったとか。
「また新しい作品ができたらあんたんとこにホームページ制作を頼むわ」
と言われたそうですが……。
「夜逃げしようかと思った」
とのことでした(^^ゞ



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